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みなさん、初めまして。ベーシックの川鍋と申します。

今年の8月末に弊社からリリースし、iOS/Androidで合計250万DLを突破したカジュアルゲームアプリ「マッチに火をつけろ」。弊社としては初めての無料ゲームだったのですが、リリース以降約2ヶ月間手探りながら様々な取り組みを行ってきました。完全無料のゲームだけあって広告の最適化が重要だったのですが、その売上推移から見えてきた無料カジュアルゲームで収益を上げる3つのポイントについてまとめてみました。

可能な限り実際の数字も公開させて頂きますのでご参考になれば幸いです。

マッチに火をつけろ 1.2.1(無料)

現在の価格: 無料(サイズ: 22.7 MB)
販売元: basic – Basic.inc
リリース日: 2012/08/29
全てのバージョンの評価: (10,832件の評価)
App

正直なところ、アプリをリリースした時はカジュアルゲームでこれほど売上が立つとは予想していなかった為、とても驚きを隠せないのですが、アプリは儲からないという記事が散見される中、これからアプリビジネスにチャレンジされるデベロッパーの方の参考になればと思い公開させて頂きます。

※広告ネットワーク各社のデータも公開させて頂きますが、あくまでも本アプリでの成果の為、一概に善し悪しは判断できないことをご了承ください。

 

利用した広告ネットワークと売上推移

タイトルにもありますが「マッチに火をつけろ」は2ヶ月間の広告収益だけで700万円を売り上げました。

これまではざっくり1DL=約1円くらいがカジュアルゲームで稼げる売上だと聞いていたこともあり、当初の予想より数倍稼ぐ事ができた、というのが率直な印象です。
内訳と主に使った広告ネットワークは以下です。

<売上内訳>
・iOS版・・約400万円(130万DL)
・Android版・・約300万円(120万DL)

<利用した広告ネットワーク>
■iOS版 ※8月29日リリース
○CPC広告
・nend
・InMobi

○CPI広告
・adcrops

■Android版 ※9月14日リリース
○CPC広告
・Adlantis

○CPI広告
・appC

まずiOS版でnendを利用したのは同じく弊社で運営しているレビューサイトAppLiFEのアプリなどでも実績があった事と、アドサーバー機能が標準で用意されていて使いやすかったからです。キャンペーン等で自社広告を運用する事を想定するとこのアドサーバー機能が使えるのは大きなメリットです。
ただ、nendには海外向けのの広告在庫がないので、海外ユーザー向けにバックフィルでInMobiを実装しています。

実際に「マッチに火をつけろ」は香港や台湾のApp Storeでも無料総合1位を獲得したので、これは一定の効果があったと感じています。とはいえ、CPMベースでみると日本の広告の方が単位あたりの収益性が高いのが現状のようです。これは当然でもあるのですが、ソーシャルゲームをはじめとした単価の高めの広告の比率が高いからだと思います。

また、バナー形式のCPC広告に加え、CPI課金(インストール成果)型のadcropsも実装しています。
当アプリに関してはCPI単価が100円~200円とCPCに比較すると高めだったので併用して実装する事で収益をうまく増やせると思います。

 

ダウンロードと広告売上推移

さて、iOS版のリリースからの総合ランキング(無料)、DL数、売上は以下の通りです。
※9月下旬~10月上旬にかけて自社広告を配信していたので売上が多少減っています。

 

売上推移から見えてきたこと

まず目につくのが、週末に大きく売上があがるという点。
カジュアルゲームという特性からやはり週末の空いた時間に暇つぶしでプレイされるユーザーが多い事が予想されます。
こちらはおそらく他のカジュアルゲームでも同様の傾向がみられるのではないでしょうか。

このことから新たに広告を実装するなら金曜日までにリリースできるようにスケジュールを組むというのは重要なポイントになりそうです。また、このこと自体は一般論的に聞いてはいましたが、実際に自分たちが経験してみることでより実感することができました。

それと、売上と同様にDL数も週末に伸びています。
週末はゲームを積極的にDLするユーザーが多い事が予想できますね。

そしてもう一点が、意外とライフタイムバリューが長い点。
これはゲームの内容にもよってくるかと思いますが、マッチにに火をつけろの場合1ヶ月半程経つとピーク時と比べるとデイリーの売上は約半減していますが、それでも1日に5万円以上を稼いでいます。これも他のアプリと数字を比較することはできませんでしたが「意外と粘るなぁ」という感覚でした。

また、10月16日にゲームに登場する全13キャラクターをそれぞれミッションをクリアしてコレクションするというコレクション機能を追加実装したのですが、これによってアクティブユーザー数はそれほど増えてはいないものの広告売上が伸びる結果となっています。

 

カジュアルゲームで収益を上げる3つのポイント

いかがでしたでしょうか?

ある程度の規模の企業の場合、無料カジュアルゲーム一本で大きく稼いだり安定した事業にする事は難しそうですが、個人の方や、数名でアプリ開発をされている方であれば十分な収益が狙える環境なのかもしれないと思いました。一般的にアプリといえば過当競争でどんどん儲からなくなっているイメージがありましたが、その反面ユーザーは増えておりやり方次第ではいけるのかもしれないと考えています。

また、今回はプロモーションに全く広告費をかけていません。というか無料のゲームなのでどうやればいいのかわかりませんでした。
幸いにもいくつかのレビューサイトに紹介いただき、ランキングが徐々に上がっていくにつれて自然DLも増える、というサイクルを作ることができた、というのが実情です。
(取り上げて頂いた媒体のみなさま、ありがとうございました!!)

以上の事から無料カジュアルゲームで収益を上げる上で最も重要なポイントを3点絞ってみました。

1.とにかく低コストでダウンロード数を稼ぐ

アプリの企画自体の話にもなりますが、広告予算もないケースがほとんどと思いますのでとにかく低コストでダウンロード数を稼ぐために知恵を絞らなくてはなりません。

・誰でも知っていて他のアプリにはない要素をうまく取り入れる
・ことあるごとにプレスリリースを出し露出の機会を得る。(特にリリース後すぐ反応を感じたら何かしら出していくとブログなどに取り上げられる機会も増えるようです)
・アイコンやアプリ名を工夫する。「マッチに火をつけろ」は旧App Storeでは1行で表示されるギリギリのサイズにし、アイコンもインパクトが出るように様々なタイプを作成、ホームに並べてみて検討しました。
※このあたりはアプリ企画ノウハウにもなると思いますので、もう少し知見がたまったら紹介してみたいと思います。

2.獲得したユーザーを飽きさせない為にアップデートを行う

あたり前の事ですが、今回はコレクション機能の追加実装によってユーザーの接触頻度をあげています。それ以外にもゲームモード追加など、細かいアップデートを定期的に行いました。

3.広告を最適化する

利用する広告ネットワークによってそれぞれでる広告の種類やクリエイティブが異なるので自社のアプリに最適な広告を見つけることが重要です。
ここではアプリとの”相性”が重要なファクターとなるので、実際に複数のネットワークを試す事をお勧めします。
結果的にマッチの場合は同じゲームカテゴリであるソーシャルゲームの広告のクリック率が良かったようで、ソーシャルゲームの広告主を多く抱えている広告ネットワークが収益性が高い結果となりました。

こうしてまとめてみると「なんだ、そんな事か。」という声が聞こえてきそうですが、シンプルに面白いアプリを作るという事がやはり一番重要な事だと思います。

ちなみに、この2カ月間で利用したネットワークの比率も調整していますが、まとめると成績は以下の通りでした。

 

 

一見Adlantisが抜群によさそうですが、フィルレートが低いので一概にはいいとは言い切れません。広告ネットワーク各社で管理画面の指標の定義なども異なるので、実際には広告リクエスト数に対する収益性という観点でみていくとよいと思います。

実はnendの方はフィルレートはほぼ100%なのでeCPMでみると数値は低いのですが、実収益は比較的良いです。また、Adlantisもnendも海外ではほとんど広告が配信されないのでInMobiなどの海外に強いアドネットワークも実装しておくとよいと思います。思いがけず海外で人気が出たときに活躍してくれると思います。

今回はiOS版の内容だけで盛りだくさんになってしまったので、Android版のデータはまた別の機会に紹介したいと思います。

まだまだ弊社も経験が少なく、今回も一発当たっただけですので偉そうな事は言えませんが、みなさんと一緒にアプリ業界を盛り上げていければと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします。

アプリ企画・開発にお困りの方はGrowingApp開発ナビもぜひチェックしてみてください。